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ライゼ通信 

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貴方の好きな色は?

私が一軒目の家を建てる前、土地から探しながら、色々と夢と妄想は膨らんでいました。
家創りに。

住宅の専門誌は高価格で、専業主婦の家計上「買う」をあきらめて図書館に通い読みあさり、見て喜んでいました。

土地が見つかったら、誰とどんな打ち合わせをしていくのだろうか?!と。

30年前位に遡ります。

その当時は、設計事務所へ依頼する選択はありませんでした。
ないというより、知らない。
マンションや店舗、豪邸を建てるのが設計事務所の仕事だと思っていたのです。

実際、実家が同時期にビルを建てる計画があり、不動産業者と設計事務所の方とお会いしたことがありました。
でも、我が家の予算とはかけ離れた仕事しかされないと思っていました。

それから色々ありまして、決めた土地が条件付きだと、契約の時に知りました。

設計、施工する工務店が決まっている土地を購入したのです。
今の私でしたら、お断りしていました。その工務店は。

不動産業者と工務店が勝手に決めたことを、後で素人の私たちに示したのです。

なので、打ち合わせへの夢も半減。
小さな地元の工務店。

私の中で大きく膨らんだコーディネートの打ち合わせも、小さくしぼんでしまいました。

私は当時から手仕事や伝統工芸作品が好きで、室内の壁面素材や色、畳の色柄まで勝手に考えていました。器を並べる家具もこだわっていました。予算はない中で。

でも、現実は
事務服を着た女性の方が
「この三枚の中でクロスを選んでくださいね」
と優しく微笑まれたのです。

「好きな色は何色ですか?
「照明や家具へのこだわりはありますか?」
「キッチンへのこだわりは?」

の質問はありませんでした。その女性の方から。

設計者の男性は、
「この人料理したことあるのかな?」のキッチン周りの設計をされていました。

「勝手口のドアを開けて、ごみ箱までの距離を考えたの?」
と、質問したくなるほど。

でも、当時の私は若き専業主婦。
誰にこの想いを伝えれば、カタチになっていくのか???
の、もどかしい打ち合わせでした。

何か言えば、「オプションです。高くなりますよ。」
と言われ、口数は少なくなるばかり。

その経験から、住宅会社に入社して社内改革したのは「外部のプロとチームをつくる」でした。

プロのインテリアコーディネータ―を会社に紹介して、業務依頼をさせて欲しいとお願いしました。
私の給与から出したこともあります。
お客様の為に。
そして、パースや模型も外注しました。
どうしても、説明に必要な時には外部発注。これも私のポケットマネーから。

新人の安月給の私がなぜここまでしたかというと

「貴方の好きな色は何ですか?」の質問をして欲しかった自分がいたからです。

その質問から広がる打ち合わせを期待していたからです。

会社勤めをしながら、当時から外部チームをつくり始めたのです。

今は当たり前にやっているチーム創りは、専業主婦の夢の家創り打ち合わせが、しぼんだところからスタートしたのです。

その動きが、その後の私の仕事履歴をステップアップさせました。


私の好きな色は「赤」
昨日、行ったカフェで座ったのは
貴方の好きな色は?_a0156611_10353356.jpg

革張りの赤いソファー。
頼んだ珈琲のカップトレーが、偶然にも赤。
貴方の好きな色は?_a0156611_10364339.jpg

元気が出ます。
パワーの赤。

小さなことですが、家を建てて暮らす家族の「嗜好」を知ることが「思考」に繋がると私は思っています。

なので、他愛もない会話でも真剣に楽しみながらお聞きします。

私が、このご家族の為に出来ることは何から始めるか?!を「思考」するために。
by iepro | 2016-02-27 10:39 | コーディネート